要約アウトプット【 人口減少社会のデザイン 広井良典】

人口減少社会のデザイン

著者:広井良典
出版日2019年10月3日
ジャンル:政治・経済

 

 

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人口減少社会のデザイン

 

現在の日本社会は持続可能性という点で
財政的な問題、格差拡大と人口減少などを
含めて危機的と言わざるを得ない

日本社会の持続可能性を維持する
シナリオとして考えられるのは
都市集中型か地方分散型だ

都市集中型は都市の企業が主導する
技術革新により
人口が都市に一極集中し地方は衰退する
出生率の低下と格差がさらに拡大する
一方で政府の財政は支出が都市に
集中することで持ち直すと想定される

地方分散型は地方へ人口が分散し
出生率が回復する
格差が縮小し個人の健康寿命
幸福感が増大する
ただし政府の財政や環境を
悪化させる可能性がある


2005年日本の人口は初めて減少に転じた
2008年をピークに2011年以降は減少し続けている
いまは文字通りターニングポイントと言える

人口増加の時代は画一化が進み
集団の同調圧力が強い時代だ
人口減少社会はそのような
一元的なベクトルから人々が解放された時代だ

近年幸福というテーマが
様々な分野で関心を集めているが
その幸福度において日本は低いポジションにある
その原因として考えられるのは
社会的サポートや多様性という項目の
パフォーマンスの低さ
日本は経済的、物質的な豊かさを
追求する中で大事なものをないがしろにしてきた

人口減少社会では
それぞれの地域が持つ
固有の価値や風土的・文化的多様性への
人々の関心が高まるという
新たな流れが浸透していく


日本の65歳以上が人口全体に占める割合は
2018年において28.9%と
すでに世界一だ
日本の高齢化率が高いのは
長寿が原因ではなく少子化である

少子化の原因はなにか
結婚した夫婦の子供の数が
減ってきていると思われがちだが
実際にはその数は大きくは変わってない
影響が大きいのは未婚化と晩婚化だ

地域別では東京の出生率が最も低い
単純に考えて人口が東京に集中すれば
日本の出生率が下がることになる
東京は効率性や生産性のみを追求すると
短期的には望ましい成果を挙げるが
中長期的には人口減少を招き
むしろ経済にとって
マイナスとなることを表している


人口減少は大きな社会問題だ
だがある程度の減少はかまわない
なぜなら先進諸国と比べると
日本は人口が過密になりすぎているからだ
現在の人口は絶対に維持すべき水準とはいえない

ただ人口が減り続けるのは問題だ
出生率は人口置き換え水準である
2.0前後に時間をかけて回復するのが望ましい

高齢化というと先進諸国の
問題のように捉えがちだが
今後は高齢化が地球規模で進んでいく
21世紀後半に向けて籍あの高齢化が進み
陣王や資源消費も均衡化していくはずだ
むしろそうでなければ持続可能にはならない
これをグローバル定常型社会という


近年グローバル化を進めてきたイギリスや
アメリカで全く逆の動きが表れている
EUの離脱やアメリカファーストの動きだ
これらは身勝手な自国中心主義だが
それとは別のところでもグローバル化
限界が見え始めている
今後はむしろローカル化が進んでいくだろう
ドイツや北欧の国々ではすでにこうした社会が
実現しつつある


現在の日本は社会保障を含む
多くの面で混迷し
無縁社会的な状況が強まっている
コミュニティには農村型と都市型があるが
日本は農村型に傾きがちだ
農村型では内側に向かって
閉じる傾向が強い
このコミュニティを開いていくには
公共性をあげることが必要になる
独立した個人が特定のコミュニテイや
共同体の境界を越え繋がっていく
そのような公共性の高い
都市型コミュニテイを目指すべきだ


これまでグローバル化という言葉は
世界中が均質になることを意味していた
だが本来の意味では地球上の各地域の
ローカルな風土文化の多様性を評価しつつ
ヒトの種としてのユニバーサル普遍性のなかで
文化の多様性がつくりだす全体構造を意味する

つまり個別的、地域的なローカルと
普遍的なユニバーサルという対立を
総合化する理念がグローバルだ
今後は有限な地球において
文化や資源が高いに共存していくような
社会システムを構想することが
重要になるだろう

 

 

 

 

人口減少社会のデザイン

 

 

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