要約アウトプット【 僕らはそれに抵抗できない アダム・オルター】

僕らはそれに抵抗できない

著者:アダム・オルター
出版日2019年7月10日
ジャンル:自己啓発・マインド

 

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僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

 

依存症でイメージするのは
アルコールやドラック
ギャンブルなどが一般的だ
だが新時代の依存症として
近年指摘されているのが
行動嗜癖(こうどうしへき)だ

行動嗜癖はなんらかの
悪い癖を常習的に行ってしまうことだ
ドラマを一気に見てしまったり
筋トレせずにはいられなかったり
これらはすべて行動嗜癖の一種だ


ベトナム戦争に赴いたアメリカ兵の
85%が退屈からヘロインに手を出した
ヘロインは非常に依存性が高く
95%が依存症状から抜け出せない
だがヘロイン依存症となった
帰還兵たちはその95%が
症状を再発させなかった

これは依存症が本人の性格だけでは
語れないことを意味する
べトナムという環境から離れたことで
このような結果になったと言える
ゲームのようなプロダクトや
ベトナムのような場所など
依存症状を呼ぶ「合図」があるから
依存症に陥ってしまうと考えられる


現在世界で最も猛威をふるい
成人全体の3分の2が罹患(りかん)
している現代病は
慢性的な睡眠不足と言われる
その原因のひとつが
デジタルデバイスブルーライト

薬物常習者とゲームの
依存症患者の脳では
ドーパミンの負の
無限連鎖が発生している
フルターボの快感を
エラーと察知して
ドーパミンが抑えられると
人はドーパミン
求める行動を起こしてしまう
耐性ができると
脳はさらなる刺激を
求めるようになる

だが依存症はドーパミン
作用だけが原因ではない
依存症患者の多くは
その対象を好きなわけではない
好感と渇望は別なのだ
そして渇望は好感よりも
強い感情だ

ある物質や行動と
心理的な苦しみからの
開放感が一度結びついてしまうと
欲しいという気持ちを抑えることは
非常に難しい
これが依存症の真実だ


ゲームでも何でも
慣れてくると飽きてくる
試練や敗北を適当に
味わえるようにすると
人間はそのゲームにはまり込む
テトリスというゲームは
操作になれてくる頃に
難易度が上がるように設定されていて
脳の機能と効率性を向上する
はじめてのビデオゲームとして
ギネスブックに載っているほどだ

必要なスキルをもち
適度なレベルに挑戦する状態にある時
人は「フロー」と呼ばれる状態に入る
自身が進歩している過程にも楽しみを
覚え始めるとなかなかやめるのは難しい
ここまで至るとやめさせるためには
停止規則が必要になってくる


ラストで謎が残されていたり
納得の行かないオチだったり
大抵の人は怒ると思うが
結果としてその作品はヒットすることも多い
完了した体験より完了していない体験のほうに
人は強く心を奪われる
先の読めない展開は
クリフハンガーとして
人をハラハラさせたままにする

ネットフリックスは
自動再生機能を実装して
停止規則を失わせている
能動的に次の話を見ない
という行動をしなければならなくなり
一般的にそういった行動を
したがらない人は多い

臓器提供カードの同意率も
低い国では臓器を提供してもよい
にチェックをさせるが
同意率の高い国では
臓器を提供したくない場合に
チェックさせている
能動的なチェックをしたがらない
という人の特性をうまく利用しているのだ
これに前述にクリフハンガーという強烈な魅力が加わると
なかなか人は自動再生から逃れられない


今の子供達は
生まれながらにして
デジタルデバイスに囲まれている
子どもは脳の自己制御能力が
十分発達していないので
大人よりも依存症になりやすい

依存症になってしまった
子どもたちへのアプローチとして
最近は動機づけ面接が効果的と言われる
人は自分の人生を自分の意志で
進めたい(自律性)
家族や友人と確かな絆を形成したい(関係性)
周囲に影響力をもっていると感じたい(有能性)
この3つのニーズにかかわる場合
自発的な行動を起こしやすいと言われる


依存症を克服できないのは
意思が弱いからではない
前提として人間は
誘惑から完全にの逃れることはできない
ならばまず物理的に
依存を誘発する対象を遠ざけてみる
それが難しければ
依存性を与えている要素を把握し
それを取り除くように努める
そして悪癖を再発した場合には
少し痛い程度の金額を
慈善団体に寄付するなど
ささやかな罰や不便を与える

大事なのは
自分の環境を自分の意志で
賢くデザインし直すことだ

 

 

 

 

僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

 

 

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