YOUTUBEで簿記3級独学⑨ 決算整理仕訳1/3


簿記3級独学応援っ!⑨決算整理仕訳1/3 『未収収益 未払費用 前受収益 前払費用 当座借越、現金過不足、当座借越、貯蔵品』

 

現金化不足の処理

 

2月28日、A社(決算日は毎年3月31日)において

金庫内の減菌を数えたところ1万円札が1枚と

5千円札が2枚のみであった。

一方この時点での帳簿上の現金勘定の残高は

20,300円であった。

この差額の原因は不明である

(借方)現金過不足300(貸方)現金300

3月2日、上記差額は先日300円切手を1枚を

現金で購入した際に仕訳をしなかったことが

原因であると判明した。

(借方)通信費300(貸方)現金過不足300

 

2月28日、A社(決算日は毎年3月31日)において

金庫内の減菌を数えたところ1万円札が1枚と

5千円札が2枚のみであった。

一方この時点での帳簿上の現金勘定の残高は

20,300円であった。

この差額の原因は不明である

(借方)現金化不足300(貸方)現金300

決算になった。上記差額の原因は不明である

(借方)雑損失300(貸方)現金化不足300

*雑益・雑損(雑収入・雑損失)

 

決算になり、A社(決算日は毎年3月31日)において

金庫内の減菌を数えたところ1万円札が1枚と

5千円札が2枚のみであった。

一方この時点での帳簿上の現金勘定の残高は

20,300円であった。

この差額の原因は不明である

(借方)雑損失300(貸方)現金300

 

 

練習問題

3月30日、現金実際残高は10万円、

帳簿上の現金勘定の残高は9万円であった。

(借方)現金10,000(貸方)現金過不足10,000

決算になった。上記差額の原因は不明である。

(借方)現金過不足(貸方)雑収入10,000

 

決算になった。現金実際残高は10万円、

帳簿上の現金勘定の残高は9万円であった。

差額の原因は不明である。

(借方)現金10,000(貸方)雑収入10,000

 

当座借越

当座預金のマイナス残高の負債振替

3月20日、買掛金50万円の支払いのために、

小切手に50万円と記載して振り出した。

このとき、当座預金残高は20万円しか無かったが、

予め銀行と当座貸越契約(限度額1億円)を締結している

(借方)買掛金500,000(貸方)当座預金500,000

*期中はマイナスになってもそのまま

このまま決算になった

(借方)当座預金300,000(貸方)当座貸越300,000

 

費用処理した項目の貯蔵品への振替

鉛筆などの事務用消耗品の購入➡消耗品費

切手の購入➡通信費

収入印紙の購入➡租税公課

*切手、印紙は同じ処理。

 それ以外は資産としての価値はほぼ無い

 すぐ使って亡くなってしまうものだから

資産性(換金価値)のあるものは費用ではなく資産

 

2月22日、現金で100円切手を300枚購入した。

(借方)通信費30,000(貸方)現金30,000

決算になった。期末日(3月31日)時点で上記切手のうち

未使用で残っているのは100枚である

(借方)貯蔵品10,000(貸方)通信費10,000

*これが決算整理仕訳

翌期首(4月1日)、再振替仕訳を行う

(借方)通信費10,000(貸方)貯蔵品10,000

 

収益・費用の前払い・前受けと未収・未払いの計上

✗2年3月1日、火災保険料12万円を現金で支払った

(借方)支払保険料120,000(貸方)現金120,000

 

✗2年3月1日、この先1年分の火災保険料12万円を現金で支払った

(借方)支払保険料120,000(貸方)現金120,000

決算になった

(借方)前払保険料110,000(貸方)支払い保険料110,000

*前払保険料は資産

 

       前払      後払(未払)

費用   前払費用:資産  未払費用:負債

収益   前受収益:負債  未収収益:資産

 

①前払費用:すでに支払った。しかしその恩恵をまだ受けていない

資産

➡家賃で例えると来月(以降)の家賃を

 前払いしている状態のテナント側

 すでに家賃を支払っているので

 そこに住むことができる権利

➡経費は支払ったときに借方と仕訳する

 よって決算で修正する必要がある

 

1月1日に1年分支払:

(借方)支払家賃12(貸方)現金12

決算整理仕訳:

(借方)前払家賃9(貸方)支払家賃9

*前払費用は資産

 

②前払収益:すでに代金は受け取った。しかしその恩恵をまだ与えていない

負債

➡家賃で例えると来月(以降)の家賃を

 前払いしている状態の大家さん側

 すでに家賃を受け取っているので

 そこに住ませる義務がある

➡家賃収益は支払いを受けたときに貸方と仕訳する

 よって決算で修正する必要がある

 

1月1日に1年分支払:

(借方)現金12(貸方)受取家賃12

決算整理仕訳:

(借方)受取家賃9(貸方)前受家賃9

*前受け収益は負債

 

③未払費用:まだ代金は支払っていない。しかしその恩恵をすでにうけている

負債

➡家賃で例えると今月(以前)の家賃を

 支払っていない状態のテナント側

 すでに物件を提供ししてもらっているが

 まだ家賃を支払っていないので

 その分払う義務がある

➡経費は支払ったときに借方と仕訳する

 よって仕訳していない

 決算で修正する必要がある

 

期中(3ヶ月分未払):

仕訳なし

決算整理仕訳:

(借方)支払家賃3(貸方)未払家賃3

*未払費用は負債

 

④未収収益:まだ代金は受け取っていない。しかしその恩恵をすでに提供している

資産

➡家賃で例えると今月(以前)の家賃を

 受け取っていない状態の大家さん側

 すでに物件を提供しているが

 まだ家賃を受け取ってないので

 その分受け取る権利がある

➡家賃収入は受け取ったときに貸方と仕訳する

 よって仕訳していない

 決算で修正する必要がある

 

期中(3ヶ月分未払):

仕訳なし

決算整理仕訳:

(借方)未収家賃3(貸方)受取家賃3

*未収収益は資産

 

練習問題 B社側

✗②年2月1日、A社はB社に事務所を貸すことにした。

賃貸にあたりB社は家賃5ヶ月分を前払した

(B社の当座預金からA社の当座預金へ支払われた)

なお1ヶ月分の家賃は10万円である。

✗2年2月1日

(借方)支払家賃500,000(貸方)当座預金500,000

決算になった(決算日は✗2年3月31日)

必要な決算整理仕訳を行う

(借方)前払家賃300,000(貸方)支払家賃300,000

 

補足

そもそも現代の簿記・会計では

現金預金の入出金をもって

収益・費用を計上するわけではない

入金≠収益 出金≠費用

 

権利・義務の確定したタイミングで

費用・収益を計上する

 

商品売買では

➡やってる

固定資産の売買は

➡やってる

その他の収益(受取家賃、受取家賃)

➡やってない

経費の支払では(水道光熱費、支払家賃、給料)

➡やってない

 

家賃などの収益や経費の支払は

期中は入出金をもって仕訳してしまう

これが4つのパターンの決算整理仕訳が

必要になってしまう原因

 

期中に現金主義で仕訳しているもの

➡決算で発生主義の仕訳に変更

 

 

 

【今回の練習問題をやってみましょう!】
(期末日はすべて3月31日とします)

Q1:決算になった。期末日3月31日終了時点の現金有り高を数えたら、30,500円あった。一方、帳簿上の「現金」残高は30,000円であった。差額原因は不明である。必要な仕訳は?

 (借方)現金500(貸方)雑収入500

*決算なので直接 雑益(雑収入)

 

Q2:3月29日に電気代1万円を支払うために小切手を振り出した(適正に仕訳済み)。この時点で当座預金残高は1,000円であったが、銀行と限度額1億円の当座借越契約を締結している。このまま決算になった。決算での必要な仕訳は?

 (借方)当座預金9,000(貸方)当座借越9,000

*当座借越勘定が用いることができなければ借入金

 

Q3:期末日終了時点で、80円切手が100枚と200円の収入印紙が100枚未使用で残っている(なお、切手は2年前に現金で購入したものであり、収入印紙は当期に現金で購入したものである)。決算整理仕訳は?

 (借方)貯蔵品28,000(貸方)通信費8,000

          (貸方)租税公課20,000

 

Q4:2月1日に、2月~4月分の3ヶ月分の家賃を当座預金から支払った(1ヶ月分の家賃は10万円)。決算での決算整理仕訳は?(テナント側)

(借方)前払家賃100,000(貸方)支払家賃100,000

 

Q5:2月1日に、2月~4月分の3ヶ月分の家賃が当座預金に入金された(1ヶ月分の家賃は10万円)。決算での決算整理仕訳は?(大家さん側)

(借方)受取家賃100,000(貸方)前受家賃100,000

 

Q6:決算になった。なお、家賃(1ヶ月分の家賃は10万円)は常に翌月払いという契約になっているため、常に翌月に当座預金から支払っている。決算での決算整理仕訳は?(テナント側)

(借方)支払家賃100,000(貸方)未払家賃100,000

 

Q7:決算になった。なお、家賃(1ヶ月分の家賃は10万円)は常に翌月払いという契約になっているため、常に翌月に当座預金に入金される。決算での決算整理仕訳は?(大家さん側)

(借方)未収家賃100,000(貸方)受取家賃100,000

 

Q8:×1年1月1日に、A社はB社に現金100万円を貸し付けた(貸付期限は2年間。元本返済と同時に利息も一括支払という契約。利率は年利1.2%)。そのまま決算になった。×1年3月31日での必要な決算整理仕訳は?(A社側)

(借方)未収利息3,000(貸方)受取利息3,000

 

Q9:×1年1月1日に、A社はB社に現金100万円を貸し付けた(貸付期限は2年間。元本返済と同時に利息も一括支払という契約。利率は年利1.2%)。そのまま決算になった。×1年3月31日での必要な決算整理仕訳は?(B社側)

(借方)支払利息3,000(貸方)未払い利息3,000

 

Q10:×1年1月分の電気代は3万円であった。×1年2月分の電気代は2万円であった。×1年3月分の電気代は4万円であった。なお当社では電気代の支払いは必ず翌月に現金で支払っている。決算になった(決算日は×1年3月31日)。必要な決算整理仕訳は?

(借方)水道光熱費40,000(貸方)未払費用40,000

 

Q11;×1年1月1日、この先3年分の保険料(36万円)を現金で支払った。このまま決算になった(決算日は×1年3月31日)。必要な決算整理仕訳は?

 (借方)前払保険料330,000(貸方)支払保険料330,000